狼さんの好きな人
「ひよりちゃんはさ、郁斗の妹だし何だか自分の妹みたいに思ってるよ。だけど、咲ちゃんは違うからなぁ…」


そんなに、咲ちゃんのことが好きなんだ…。


「とりあえず、咲ちゃんの好感度UPを狙ってみては?」


「だよねぇ。俺、明日髪を黒に染めてくるから。楽しみにしてて。」


「はい。」


ピンキー先輩に漸く解放され、ボトルを持って手洗い場に向かった。


ボトルに水を入れていると…


「ねぇ、枢くんと付き合ってるって本当?」


いきなり、知らない女の子達から話し掛けられた。


きっと二年生か三年生だ。


「本当ですよ。」


「でも、さっき雅人先輩に抱き締められてたじゃない。」


「あぁ、あれは単なるセクハラですよ。ピンキー先輩は、別に好きな人がいますし…。」


「ひより…」


その声は…


モジャ男!!


ヤバイ!!その声の低さちょー機嫌が悪い証拠だよ…


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