狼さんの好きな人
「最近、ひよりが先に学校に行くからお兄ちゃん寂しい。」


郁斗は、そう言うとひよりをギュッと抱き締めた。


「だって、シュートを上手くなってピンキー先輩をギャフンって言わせたいんだもん。それに、部室とシャワー室の掃除もしなきゃいけないし…」


「そこまでしなくていいって。それに、何か熱いぞ?無理してるんじゃないか?」


「大丈夫だって。ほら、お兄ちゃん見てて。上手くなったんだから!!」


ひよりは、そう言うと郁斗にシュートを見せていた。


「おぉ、凄いぞ!!ひより〜ッ!!シュートをしてる時の顔も可愛いなぁ!!」


またひよりを抱き締めてるし…


「郁斗、いつもより学校に来るのが早いな?」


「ん?まぁな。この学校の生徒が、夜に街中の路地で暴れているらしい。だから、その会議に俺も出ろってさ。でもなぁ、そんなヤツ学校にいないんだよなぁ。」


「ふーん。お前も大変だな。」


「まぁな。番長なんてするもんじゃないね。」


郁斗は、苦笑いしながら言うとひよりの唇にチュッとキスをしていた。


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