狼さんの好きな人
「ちょ…お前…何してんだよ!!」


「何だよ?毎日ひよりとキスしてるんだから別にいいだろ。お兄ちゃんの特権。」


いやいやいや…


「兄貴の特権とかいう問題じゃないだろ…。普通、妹とキスしないだろ!!しても小さい頃くらいだろ。」


「何で?そんなの関係ないだろ。ひよりだって俺とキスするのって普通だよな?」


「うん。」


普通に頷くなよ…


「お互いが好きならキスしていいじゃん。ひより、お兄ちゃんのこと好きか?」


郁斗がひよりを抱き締めたまま聞いていた。


「うん、好きだよ。」


「俺も…、大好きだぁ-----------ッ!!!!」


うるせぇよ!!!!


このシスコンが!!!!


「お兄ちゃん、煩い。」


「ひより、そんな冷たい目でお兄ちゃんを見ないでくれ。だけど、そんなひよりが大好きだぁ-------ッ!!!!」


だから…


「「うるせぇぞ!!郁斗!!さっさと会議に行け!!ひよりとの貴重な時間を邪魔しやがって!!」」


俺は、そう言うと郁斗の首根っこを掴んで体育館の外に放り出した。


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