狼さんの好きな人
体育館に戻ると、ひよりをおもいっきり抱き締めた。


兄妹だとわかっていても、腹が立つな。


あの、シスコン!!


毎日ひよりにキスしやがって!!


「か、枢!?どうしたんですか?」


何か、ひより熱くないか?


そういえば、郁斗も言ってたな。


「別に。お前、大丈夫か?体が熱いぞ?」


「へ?大丈夫ですよ。」


「だったら、いいけど。ひより、キスしろ。」


「へッ!?いきなり何ですか?」


「ひよりとキスしたい。ほら、早く。」


「えぇッ!?私からするんですか?」


「そう。」


「そうって…」


「俺、焦らされるの嫌い。」


「……わかりました。枢、もっと屈んで下さい。キスできません。」


ぷっ。顔が真っ赤。


可愛い。


郁斗は、ひよりがこんな可愛い顔するなんて知らないだろうな。


.
< 133 / 411 >

この作品をシェア

pagetop