狼さんの好きな人
「枢じゃん。お前がココに来るなんて珍しくね?」


髪の毛を黒く染めた雅人が言っていた。


咲ちゃんの為とはいえ…


生活態度を改めて、今は朝から学校に来ている。


「郁斗に用事があるんだ。まだ来てないか?」


「俺に用事って何だよ?」


後ろを振り向くと、郁斗がめちゃくちゃ不機嫌そうな顔をして俺を睨み付けていた。


「会議で何かあったのか?」


「今日の夜から先生と一緒に街中を見回りする羽目になったんだよ。きっと、帰りは遅くなる…。ひよりと一緒に寝られねぇじゃねーかよ!!クソッ!!誰だよ!!街中で暴れてるヤツは!!ぶっ殺してやる。俺とひよりの貴重な時間を奪いやがって!!」


郁斗は、キレながらそう言うとおもいっきり壁を殴っていた。 


壁が凹んだ…


皆、真っ青な顔して静まり返っているし…。


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