狼さんの好きな人

「…………。」


「どうしたんだよ？」


「お前の妹って血は繋がっていないだろ。」


…………。


「どうして…」


ひよこが死んだ後に、両親から血の繋がりがないと聞かされた。


だけど、俺にとっては血が繋がっていようがいなかろうが妹には違いなかった。


だから、誰にもそのことについて言わなかった。


だけど、郁斗は知っている。


「やっぱり。俺とひよりも血は繋がっていねぇんだよ…。ひよりは、養子だったんだ。」


は…？


「ﾏｼﾞかよ…」


「あぁ。二年前に知った。ﾊﾟｽﾎﾟｰﾄを取るときに戸籍の写しがいるから。」


「そうか…。だからって何で俺とひよこが血が繋がっていないって知っているんだよ!!」


「俺、ひよりが養子だってわかった後に父さんと母さんに聞いたんだ。そしたら、ひよりは俺とお前の両親の友達夫婦の子供だったんだよ。しかも、双子。ひよりの両親は、事故で亡くなったって言ってた。身寄りもなくて俺とお前の両親が引き取ったらしい。」


…………。


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