狼さんの好きな人

「ひよりはその事…」


「知らない。」


ちょっと待てよ…


「なぁ、ﾊﾟｽﾎﾟｰﾄって修学旅行でいるから取ったってことだよな？」


「そうだけど？」


「もしかして、ひよりもﾊﾟｽﾎﾟｰﾄを取る時に気付いたんじゃねぇの？修学旅行って一年の終わり頃にあるから。早いｳﾁにﾊﾟｽﾎﾟｰﾄ取らなきゃいけねぇし。」


「…………。じゃあ、ひよりが悩んでるっていうのは…」


「自分が郁斗達と血が繋がっていないから悩んでいるんじゃないのか？」


「うわ…、どうすればいいんだよ…。」


郁斗は、そう言うと頭を抱えて座り込んだ。


「とりあえず、本当にそれで悩んでるか聞いてみる。もし、それで悩んでるんだったら郁斗と話すように言うから。」


「わかった…」


「お前…」


「何？」


「ひよりのこと…」


「好きだよ。俺の宝物。」


「わりぃ…。」


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