狼さんの好きな人

「元気がないというか…空元気ですね。きっと他の人にはわからないと思います。だから、私やいっくんや先輩が傍にいてあげないと…」


「ひよりのこと…大切に想ってんだな。」


「当たり前ですよ。ひよりは、ただの幼なじみって関係じゃありませんから。」


「そうなのか？」


「はい…。ひより、小さい頃いじめられてたんですよ。近所に住んでた男の子達に。でも、本当のﾀｰｹﾞｯﾄは私だったんです。私の家は、裕福な方だから最新のｵﾓﾁｬやｹﾞｰﾑを持っているのが嫉ましかったみたいなんです。たまたま、男の子達の会話を聞いたひよりは私の代わりに自分をいじめていいと言ったらしいんですよ。その代わりに、私に手を出すなって…。本当、ﾊﾞｶですよね…。それに、全く気付かなかった私はもっと大ﾊﾞｶなんです。ひよりの傍にいたのにちっとも気付かなかった。いっくんから、ひよりのことを聞いて問い詰めたんですよ。どうしてそんなことをしたのかって…。そしたら、ひより何て言ったと思います？」


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