狼さんの好きな人
バァァァン!!!!


ボールは、雅人に当たらずその後ろの壁に当たった。


チッ!!


よけやがったな…


「枢!!何すんだよ!!危ねぇだろ!!」


「俺の女に抱きつくな。ひよりが汚れる。」


「お前、独占欲が強いとひよりちゃんに嫌われるぞ?」


「うるせぇよ!!つーか、お前は咲ちゃんが好きなんだろ!!抱きつくなら咲ちゃんに抱きつけ!!」


「……………それができたら苦労しないよ…」


雅人は、そう言うとうずくまった。


「………ハァ。お前、もしかして咲ちゃんに嫌われそうで怖いとか思ってんのか?」


「うるせーな!!思ってたら悪いのかよ!!」


図星かよ…


そんなに真っ赤な顔して。


「お前さぁ、ひよりばっかり抱き締めてたら咲ちゃんに軽い男だって思われるだろ。」


「…………。」


「ねぇ、咲ちゃん。雅人は、本当は咲ちゃんを抱き締めたいんだって。でも、嫌われそうで怖いってさ。咲ちゃんどう思う?」


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