狼さんの好きな人
どいつもこいつもひよりを抱き締めやがって…


って、武田の顔…


赤い…?


…………。


まさか、武田…


ひよりのこと…


…………。


ん?


何か、ひよりフラフラしてないか?


急いで、ひよりのもとに駆け寄ると…


「ひより、おいで。」


そう言って両手を広げた。


「枢…」


ひよりは、嬉しそうな顔をするとそのまま俺の胸に倒れ込んで意識を失った。


「え…、ちょ…ひよ!?」


慌てて武田が駆け寄ってきた。


ひよりの額を触ると、酷く熱い。


「やっぱり体調が悪かったんじゃねぇか!!無理しやがって!!武田、郁斗呼んで来い!!保健室に連れて行ってもこの熱じゃ下がらない。そのまま、帰らせるぞ。」


「わかった!!」


あー、そう言えばコイツらの両親今日からいないって言ってたな。


郁斗も夜遅くまで見回りって言ってたし。


俺んちで面倒みるか。


携帯を取り出すと、俺んちに電話をかけて迎えに来るように頼んだ。


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