狼さんの好きな人
「「ひより!!」」


郁斗が血相を変えてやってくると、俺んちで面倒を見ることを伝えた。


「でも…」


「お前んち、今両親いないしお前も夜遅くまで見回りするんだろ?俺んちだったら、世話してくれる人がいるし。ま、俺の女だから俺が世話するけど。」


郁斗は、暫く考えると…


「……頼んでいいか?」


そう言った。


「あぁ。心配になったら俺んちに来ればいい。」


「わかった。ありがとな。」


「いいよ。迎え頼んだから帰る。」


「わかった。ひよりが落ち着いたら電話して。」


「あぁ。」


ひよりを抱き抱えると、そのまま校門へ向かった。


タイミングよく車が目の前で停まり、助手席から一人の男が出てきた。


「若!!一体どうしたんですか!!」


「ひよりが熱出した。病院に連れていく。」


「ひより…?若!!ついに、お嬢を手に入れたんですか!!」


「まぁな。」


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