狼さんの好きな人
「ん…」


「気が付いたか?」


「枢…ここ…」


ひよりは、俺の顔を見ると辺りを見渡した。


「ここは、病院。お前、昼休みに体育館で倒れたんだよ。熱が高いから今点滴をしてる。」


「すみません…。ご迷惑おかけしました…」


「謝んな。医者は、疲労が原因って言ってたけど…。」


「……そうですか。」


「咲ちゃんが心配して俺に相談してきたぞ?ひよりが元気がないって。咲ちゃんにも話せないことなのか?」


「……………。」


無言ってことは、話せないってことなのか…


「とりあえず、点滴が終わるまで寝てろ。」


「はぃ…。あの…」


「ん?」


「…………その…」


何か、言いたげだな…


「遠慮すんな。俺は、お前の彼氏なんだぞ?」


「あ…はぃ…。あの…、そばに…いて下さい…」


ただでさえ、熱で顔が赤いのに…


更に真っ赤にさせて…


可愛くてたまんない。


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