狼さんの好きな人
「………はぁ。ま、頑張れよ。せいぜい、お嬢に嫌われないようにしろよ。」


「うるせぇ。何股もかけて修羅場になったヤツに言われたくねぇよ。」


「あぁ、そんなこともあったな。でも、今は全員と別れて違う女の子達と付き合ってんだ。」


……………。


今、達って複数形で言ったよな?


「お前、また何股もかてんのか?いい加減学習しろよ。いつか刺されるぞ?」


「大丈夫だって!!今んとこバレてねぇから。」


「そういう問題じゃねぇだろ…。一人に決めろよ。」


「あぁ、無理無理。それだけ惹かれる女の子がいないから。」


ダメだ、コイツ。


直す気なんてサラサラねぇな。


「ふーん。じゃ、俺は部屋に行くから。」


「おぅ。」


ひよりを俺の部屋に運ぶと、ベッドに寝せた。


汗をかいているな…


着替えさせるにも、着替えがない。


俺は、クローゼットを開けてひよりに着せる物を探した。


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