狼さんの好きな人
ま、これでいいか。


取り出したのは、俺のTシャツ。


今着てる制服よりはマシだろ。


俺は、お湯を入れた洗面器とタオルを持ってくると、ひよりが着ている制服と靴下を脱がせて下着だけにした。


タオルを濡らすと、ひよりの体を拭いていった。


病人の世話は、慣れている。母さんがひよこにしていたことを覚えているし、直也や和也が風邪引いた時も俺が世話をしてるから。


それにしても…


ひよりの下着姿を見てふと思った。


俺、寝込み襲ってるみたいだな…


あ、早くしねぇとまた熱が上がる。


再度手を動かして体を拭くと、俺のTシャツを着せた。


ひよりが着ると、Tシャツがワンピースになるのか…


丈が膝まであるぞ。


「ホント、ちっさいな。お前…」


何だか、小さすぎてすぐにバラバラに壊れそうで怖い。


そう思うのも、ひよこの姉妹だからアイツに重ねてんのかな…。


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