狼さんの好きな人
「……より、起きろ。おいっ、ひより。」


ん…


「あれ?」


「あれから、お前また眠ったんだよ。お粥持ってきたから起きろ。」


「…ありがとうございます。」


モジャ男は、トレイをベッド脇にあるチェストに置くと私を起こしてくれた。


「大丈夫か?」


「はい、大丈夫です。」


若干、フラフラする…


まだ、熱があるのかな…?


「……俺が食べさせてやるよ。」


………はぃ?


食べさせてやる?


「じ、自分で食べれますから!!」


「ダメ。お前、フラフラしてるし。」


モジャ男は、お粥をレンゲで掬うと息をふーっふーっとかけて私の口に持ってきた。


「ひより、あーん…」


出た!!あーん…


モジャ男、どんだけあーんが好きなんだよ!!


恥ずかしいじゃん…


でも、今日は周りに人がいるわけでもないから素直に口を開ける。


…あ、美味しい。


卵粥だ。


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