狼さんの好きな人

「ひより、どうした？ｷﾂｲのか？」


ゆっくり目を開けると、ﾓｼﾞｬ男が心配そうな顔をしながら私を見ていた。


「いえ…大丈夫…」


「どう見ても大丈夫そうな顔じゃねぇだろ。泣いてたんだろ？」


え…？


慌てて目を触ると、涙で濡れていた。


泣いてたんだ…


「…………。」


「……そろそろ寝るか。電気消すぞ？」


「はぃ…」


ﾓｼﾞｬ男が電気を消すと、ﾍﾞｯﾄﾞをきしませて布団の中に入ってきた。


やっぱり一緒に寝るんだ…


ﾓｼﾞｬ男の部屋だから、当たり前か…


お兄ちゃん以外の男の人と寝るのは初めてだから、何だか緊張する…


「ひより…」


「は、はい…」


「何？緊張してんの？」


うﾞ…


「だって、お兄ちゃん以外の男の人と寝るの初めてだから…」


「俺も。女の子と一緒に寝るのは、ひよりが初めて。」


え…!?


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