狼さんの好きな人

「俺以外の男とｷｽしたのが納得できねぇ。」


「そんなこと言われても…。事故みたいなものだし…」


「事故でも何でもｷｽしたことにかわりないだろ。」


「まぁ、そうですけど…」


「とりあえず、ひよりからｷｽしろ。」


……はぃｯ!?


「どうして、そうなるんですか!!」


「そんなの簡単だ。俺の機嫌が悪いからだ。」


つまり、ﾓｼﾞｬ男の機嫌を直すには私からｷｽしろと…。


「俺様ですか。」


「違う。神様だ。世の中は、俺を中心に回ってんだよ。」


出た!!


「それ、単なる自己チューですよ。」


って、あれ？


何か、話がおかしな方向に向かってない？


「ほら、早くしろよ。」


仕方ない…。


ﾁｭｯと唇にｷｽをして、顔を離そうしたら…


ﾓｼﾞｬ男に、後頭部をｶﾞｯﾁﾘ掴まれた。


「まだ足りない。俺が満足するまで逃がさねぇ。」


何度も何度も、ﾓｼﾞｬ男とｷｽをして…


解放された時には、意識が朦朧としていた。


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