狼さんの好きな人
「…ハァ。もういい、早く行くぞ?」


おもいっきりため息つかれちゃいましたよ…


「でも、先輩。私のこと探さなくてもよかったのに…。私、先輩を一目で見つけられますから。」


「ふーん。そんなに俺のことが好きなわけ?」


「全く、何をどうしてそんな解釈をするのか理解に苦しみますよ…。先輩は、歩く電柱もしくはトーテムポール…。すぐにわかります!!」


「トーテムポール…」


「あれって、どうして小学校のグラウンドにあるんですかね?謎です。」


「お前、身長195センチの皆さんを敵にまわしたな?謝れよ。バカにしやがって。」


モジャ男、195センチもあるのか…。


デカすぎだよ…。


ていうか、私の話をまたしても無視したな…。


「どうもすいませんでした!!!!」


「響かよ…。お前、反省してないだろ。」


「はい、全く。」


「即答すんな。反省しろよ…。俺から離れんなよ。」


モジャ男はそう言うと、私と手を繋ぎ店内を回った。


お兄ちゃん以外の男の人と手を繋ぐのが初めてだった私は…


心臓が破裂しそうなくらい…


ドキドキした。


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