狼さんの好きな人
「あの…先輩…」


このままじゃ…


ドキドキして…


死にそう…


ドキ死するよ…。
ドキ死…。


「ん?どうした?」


「あの…手を離して下さい…」


「やだ。」


やだって…


「もう私…心臓が…」


「??心臓?お前、持病があるのか?」


「いや、そうじゃなくて…」


「じゃあ、何だよ?」


「私、お兄ちゃん以外の男の人と手を繋いだことがなくて…。もう、ドキドキして死にそうなんです!!」


あぁ、顔が熱いよ…


私、きっと顔が真っ赤だ…


「…………。」


モジャ男は、口をポカーンと開けて私を(多分)見ていた。


また無視ですか…


「だから、手を…」


「絶対に離さねぇ!!」


モジャ男はそう言うと、私の手を強く握った。


「嫌がらせですか…?」


「お前は、俺にドキドキしてればいいんだよ。」


.
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