狼さんの好きな人
心臓がドキドキする…。


今更どうして…?


でも…


はっきりわかったことは、モジャ男と初めて手を繋いだ時よりもはるかにドキドキしていた。


もう限界…。


「先輩…」


「ん?」


「限界です。ドキドキしすぎて死にます。」


「大丈夫だって。こんなことじゃ死なねぇよ。それとも、もっと俺が死にそうな思いさせてやろうか?」


「結構です。ていうか、彼女は?どこにいるんですか?辺りを見渡しても誰もいなかったですよ?」


「だから、今日から俺の彼女はお前。」


へ…?


俺の彼女はお前…?


「わ、私ッ!?」


「そう。」


いやいやいや…


そう。じゃないよ…。


「勝手に決めないで下さいよ。」


「だって、今日俺にドキドキしっぱなしだろ?」


「はい…」


「それって俺を好きな証拠だろ。」


そうなのかな…?


.
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