狼さんの好きな人
お姉ちゃんは、パパの勤務先の大学病院に入院していた。
私が、会いに来た時は大抵点滴をしていてベッドに横になっていることが多かった。
体調がいい日は、起きて私に折り鶴の折り方を教えてくれたり一緒にお絵かきして遊んでくれた。
だけど、病室で遊んでいてもすぐに飽きてしまって…
『お姉ちゃんと外で遊びたい』
そんなワガママを平気で言っていた。
そんな私に、お姉ちゃんは怒るわけでもなく…
『うん。私もひよりちゃんと一緒に遊びたいよ。だから、早く元気になるようにがんばるから。もう少し待ってね。』
そう言って私を慰めた。
お姉ちゃん、年のわりにはかなり大人びていたと思う。凄く聞き分けが良かったし、駄々をこねてるとこなんて見たことがなかった。
入院生活が、そうさせたのかわからないけど。
だけど、そんなお姉ちゃんが一度だけワガママを言ったことがあった。
それは、最後にお姉ちゃんと会った日。私が、階段から落ちる数日前。
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私が、会いに来た時は大抵点滴をしていてベッドに横になっていることが多かった。
体調がいい日は、起きて私に折り鶴の折り方を教えてくれたり一緒にお絵かきして遊んでくれた。
だけど、病室で遊んでいてもすぐに飽きてしまって…
『お姉ちゃんと外で遊びたい』
そんなワガママを平気で言っていた。
そんな私に、お姉ちゃんは怒るわけでもなく…
『うん。私もひよりちゃんと一緒に遊びたいよ。だから、早く元気になるようにがんばるから。もう少し待ってね。』
そう言って私を慰めた。
お姉ちゃん、年のわりにはかなり大人びていたと思う。凄く聞き分けが良かったし、駄々をこねてるとこなんて見たことがなかった。
入院生活が、そうさせたのかわからないけど。
だけど、そんなお姉ちゃんが一度だけワガママを言ったことがあった。
それは、最後にお姉ちゃんと会った日。私が、階段から落ちる数日前。
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