狼さんの好きな人
お墓の前で、何度も何度も謝って…


泣いて泣いて泣いて…


気がついたら、私の部屋のベッドで横になっていた。


いつ家に帰ったのか全く覚えていない。


泣きすぎたせいか頭が痛いし…。


ドアをノックする音が聞こえて、返事をするとパパが心配そうな顔をして部屋に入ってきた。


「ひよ、大丈夫か?郁斗が、お墓の前で気が狂ったように泣きじゃくってたって言ってたぞ?何かあったのか?」


「……思い出したの。お姉ちゃんのこと。」


「…そうか。」


「私、お姉ちゃんを守るって言ったのに…。全部忘れてしまって…。もし、忘れていなかったらこんな生活送らなかった。もっと勉強して、病気の人を助けることができる人間になれるように努力したのに…」


パパは、私をギュッと抱き締めると…


「ひよ…。そんな諦めたような言い方するな。今から努力したって決して遅くない。」


私の頭を優しく撫でながら、そう言ってくれた。


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