狼さんの好きな人
「…きっと、私が悪いから…」


私が、まだモジャ男の気持ちがわからないから…


「は?何で?ひよが悪いとかありえねーし。」


何で、レンジ先輩がムッとした顔するんだろ…?


「ありえなくは、ないかと…」


「そんなに悪いことしたのか?浮気したとか?」


う、浮気!?


「そんなことするわけないですよ!!」


「だったら、ひよは悪くねーよ。全部、伊集院が悪いに決まってんだろ。」


いやいやいや…


私の味方になってくれるのは、嬉しいけど…


「それは、ちょっと…」


「俺、スッゲー腹立つんだよね。」


レンジ先輩、めちゃくちゃ怖い顔してモジャ男を見てるんだけど。


「な、何が…?」


「俺の大切なモノを、あっさり奪ったかと思ったら、簡単に突き放してさ。俺が、アイツの立場だったら絶対に突き放したりしない。そばにいて、ずっと笑顔でいられるように頑張るのに。」


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