狼さんの好きな人
一体何のこと…?


首を傾げながらレンジ先輩を見上げると、さっきの怖い顔とはうって変わって心配そうな顔をして、ふんわりと私の顔を両手で包み込んだ。


「??レンジ先輩…?」


「ひよ、ここ最近体調悪かったりする?」


体調…?


私、具合悪そうな顔してるのかな?


「悪くないですけど…」


「そうか…。じゃあ、ひよの笑顔が消えてるのは伊集院が原因なのか?」


え…?


面白かったら、皆と一緒に笑ってるつもりなんだけど…


笑えていないのかな?


「そんなこと…」


「ないのか?俺…。あの時から、前以上にひよのこと見てきたから何となくわかるようになった。」


「へ…?あの時?」


「ひよが熱出して倒れた時だよ。俺、あの時心臓が止まるかと思った。それと同時に、気づいてやれなかった自分に物凄く腹が立った。だから、ひよの異変にすぐ気づけるようにずっと見てきたんだよ。」


.
< 354 / 411 >

この作品をシェア

pagetop