狼さんの好きな人

お兄ちゃんが、二人を殴ったらﾏｽﾞｲでしょ…


そっちの方が問題になるんじゃ…


｢｢こっちに来いっ!!｣｣


二人の首根っこを掴むと、ｽﾞﾙｽﾞﾙと引っ張って体育館を出ていくお兄ちゃん。


あのﾓｼﾞｬ男とﾚﾝｼﾞ先輩が…


まるで、猫扱いだ…。


三人がいなくなった後、張り詰めていた空気が一気に和らいだ。


それと、同時に…


「ひよりちゃーん!!!!体育館の床が血の海になるかと思ったよーっ!!あの三人がｹﾝｶとかしたら、ﾏｼﾞ殺し合いだよ。俺達も巻き込まれて死ぬとこだった…」


ﾋﾟﾝｷｰ先輩が、久しぶり泣きそうな顔をしながら私に抱きついてきた。


最近は、咲ちゃんと仲良くしてるみたいで一日中ﾊｲﾃﾝｼｮﾝだったんだけど…。


「あれ？ﾋﾟﾝｷｰ先輩達って、ｹﾝｶ慣れしてないんですか？ﾊﾞｽｹ部は、この学校で一番悪い人達の集まりだってｸﾗｽの子が言ってたんですけど…」


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