狼さんの好きな人
『ひよりちゃん?今日さ、ウチに来ない?枢が熱 出 しちゃって寝込んでるの。別に、看病しろって こと じゃないんだ。アイツが熱出すとか珍しくて さ。 きっと、ひよりちゃんがそばにいてくれた方 がいい と思うんだ。』

モジャ男、風邪引いたのかな?

「…わかりました。学校が終わったら行きます。」

『わかった。無理言ってごめんね。ありがとう。 』

直也さんとの電話を切ると、お兄ちゃんにモジャ男 が 熱出して寝込んでいることを伝えた。

「アイツが、熱出すとか珍しいなぁ。それで、見 舞いに行くのか?」

「うん。だから、部活休む。」

「わかった。見舞いに行くのはいいけど、マスク はきちんとしろよ?あと、うがいと手洗いは絶対 に忘れるなよ。」

「わかってるよ。」

白血球が減少傾向にあることがわかってから、う がいと手洗いを義務付けられた。

お兄ちゃんは、その監視役でめちゃくちゃ厳しい のだ。

そのうち、常にマスク着用になりそうで嫌だ。

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