狼さんの好きな人
学校が終わり、モジャ男の家に行くと直也さんが出 迎えてくれた。

「ひよりちゃん、無理言ってごめんね?アイツ、 ろくに寝ないでドイツ語とか勉強してるから倒れ るんだよ。資料が読めたところで…ってこともある のに。ホント、不器用なヤツ。今は、焦らず勉強 していくのが得策なのに。」

「??どういうことですか?」

「…あぁ、ごめんね。こっちの話。枢、部屋で寝て るから会ってやって。」

「…わかりました。」

モジャ男、ドイツ語を早くに覚えようとして無理し ていたのかな?

でも、ドイツ語ってすぐに覚えられる言語でもな いし…。焦って覚えないといけない何かがあったの かな?

やっぱり、ドイツに行っちゃったりするのかな?

色々と考えながらモジャ男の部屋の前に到着する と、マスクをつけた。

コンコン…

「枢、ひよりです。入りますよ?」

ノックをして部屋に入ろうとした瞬間…

「「入るんじゃねぇ!!お前にうつったら大変だろー が!!」」

怒鳴られた。

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