狼さんの好きな人
どうして… どうして… どうして…

どうして、この人にお姉ちゃんを悪く言われなく ちゃいけないんだろう。

お姉ちゃんのこと何も知らないくせに!!

カァッと、頭に血が上るのがわかった。

「「お姉ちゃんのこと何も知らないくせに!!入院生 活で、どれだけお姉ちゃんが痛いこととか辛いこ と我慢してきたと思ってんの?必死で元気になろ うと頑張ってたのに!!私と中庭でご飯食べるを楽し みにしてたのに!!アンタに、お姉ちゃんを悪く言う 資格ない!!それに、お姉ちゃんを悪く言うってこと は直也さんに対しても悪く言ってると同じなんだ よ?」」

「ホント、趣味悪いわよね。所詮、枢様にとって も直也ぼっちゃまにとっても貴方は身代わりなだ けなんでしょ?顔が同じなんだし。その証拠に、 私…さっき枢様に好きだって言われたの。」

は…? 今、何て言ったの?

さっきまで、血が上っていたのに一気に血の気が 引いた。

「驚いて、言葉が出ないようね?枢様が、私のこ と好きだって言ってくれたわ。自分の妹の身代わ りはもう必要ないってことなんじゃない?もう、 ここにも来れないわけだし別れたのと同じね。」

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