狼さんの好きな人

「へ？そうなの？」


「あ、そうなんだ。」


ﾏﾇｹな声を出してﾋﾟﾝｷｰ先輩とﾓｼﾞｬ男が私を見た。


「ﾊﾟﾊﾟも枢だったらいいって…。そういえば、今度ｳﾁに来るように言ってましたよ？」


「わかった。近々行くよ。」


「はい。」


そんな私達のやりとりをﾋﾟﾝｷｰ先輩がじーっと見ていた。


「ﾋﾟ、ﾋﾟﾝｷｰ先輩？どうかしたんですか？」


「いや、枢が彼女を作るなんて意外だなぁと思って…。こんなに女の子に対して優しくしてるところ初めて見たし。」


「私、今の会話でどう優しくされたのか全くわからないんですけど…。」


「俺、ずっと枢を見てきたからさ。わかるんだよ。ｺｲﾂがﾎﾞﾄﾙを持つとかありえないし。それに、ひよりちゃんと話す時は言い方が優しい。ひよりちゃんは、枢が他の女の子と話す所を見たことがないからわからないだろうけど、ｺｲﾂすっげぇ冷たいよ。氷河期かっていうくらいにね。」


氷河期を体験したことがないからなぁ…。


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