狼さんの好きな人
氷王子
次の日の朝…


「…起きろ。ひより…。遅刻するぞ!!」


ハッ!!ヤバ…


「起きた!!」


パチッと目を開くと、隣にお兄ちゃんの顔があって驚いた。


そういえば、昨日一緒に寝たんだった。


「おはよ、ひより。」


「お兄ちゃん、おはよ。」


「今日もひよりは可愛いな!!おはようのチュー」


お兄ちゃんは、そう言うと私にチュッと軽くキスをした。


「んッ…」


「あぁ〜ッ、もうたまんない!!」


朝っぱらから、ぎゅーっと力いっぱい抱きしめるお兄ちゃん…。


く、苦しい…


死ぬ…


お兄ちゃん、私を殺す気デスか?


「…死ぬ…」


「あ、ごめん。今日さ、ひより学食で食うんだろ?一緒に食お?」


お兄ちゃんは、力を緩めると抱き締めたまま私の顔を覗き込んだ。


顔が近いよ…


「でも、咲ちゃんに聞いてみないと…。」


「とりあえず、昼休みに迎えよこすから。」


「うん…」


昨日の夜…


咲ちゃんから、メールで学食のご飯を食べてみたいと言うもんだから学食に行くこととなった。


私も、気にはなっていたんだけどね…。


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