狼さんの好きな人
ご飯を食べて制服に着替えると、既にお兄ちゃんが玄関先にバイクにまたがって待っていた。


「おーい、遅刻するぞ?」


「今行く!!そういえば、朝練ってないの?」


「基本的にない。皆、朝はダメだから集まんねぇんだよ。」


そっか…


不良だもんね…。


不良が朝っぱらからバスケの練習してたら、びっくりドンキーだよ!!


健全な不良デスか?


それ、もう不良じゃないじゃん。


「お兄ちゃんは、健全だねぇ…」


「俺、番長だけど不良じゃねぇし。生徒会長だし。それに、夜出歩いたらひよりと一緒に寝れないだろ?」


そこ?


「ふーん…」


バイクの後ろに乗ると、お兄ちゃんは「しっかり掴まってろよ」と言ってバイクを走らせた。


学校に着くと、早速男子生徒がお兄ちゃんに挨拶をしていた。


「相変わらず、男子にはモテモテなんだね…」


「哀れむような目で見んなよ…。」


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