狼さんの好きな人
「枢、この子…私の幼なじみで相沢 咲って言います。」


「俺、伊集院 枢。ひよりの彼氏。」


「ひよをよろしくお願いします。」


咲ちゃんは、枢に深々と頭を下げていた。


そんな、頭を下げなくても…。


「あぁ。わかってる。」


枢は、にっこり笑うと咲ちゃんの頭をポンポンと軽く叩いた。


モジャ男の笑顔…


ヤバイ…


キラキラしてるよ…


あまりのキラメキに鼻血が出そう…。


学食に着くと…


枢を見た女子生徒数人がキャーキャー言って近寄ってきた。


………。


昨日、枢が言った事は本当だった…。


「おーい!!ひより、こっち!!」


お兄ちゃんの声がする方を見ると…


そこ一帯男子学生で埋め尽くされていた。


その中心がお兄ちゃんなわけで…。


「咲ちゃん、あの中に入れる?」


「全然大丈夫。座れればいいから。」


「咲ちゃん、本当に勇ましいね…。」


「そう?」


「そうだよ…」


.
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