不思議の国の。
「はぁ………」
ぱんっと洗濯物を伸ばしながら
金色の髪を二つに結い
赤いリボンを頭の上で
蝶々結びをしている女の子
ミア はため息をついた。
ため息の理由は
今日、ミアの家の隣に
男の子が引っ越してくる
ということ。
「きっと仲良くなんて…なれない」
ミアの髪色は綺麗な金色で
はちみつを連想させる色。
この国の者には珍しい髪色。
小さな頃からからかわれ、
ミアはこの髪が大嫌いだ。
それに加え、ミアには
親がいなかった。
多分亡くなったのではない。
ミアは赤ん坊の頃、
この村の入り口に
置いていかれていた