BLACK PRINCE
代表は俺にとても良くしてくれていて、
こうやって営業時間が終わると
家に呼んでくれたり、飯に連れて行ってくれたりする。
この日も、代表の家でサッカーのゲームをしていた。
代表の携帯が鳴って、代表が顔を歪めた。
無言で携帯画面を見せられた俺は、
「これ…嘘ですよね?」
と言った。
でも代表は首を右に少し傾けて、こう言った。
「さあね。」
「さあね。って…‥
これ、もし本当だったら……。」
俺はゲームを消して、代表と向かい合わせに座り直した。
「でも、この子もうダメ。使えないんだ。
仕事も無断欠勤続きでクビになったみたいだし。」
代表の言葉を聞いて、耳を疑った。
「………‥使えないって…‥
使えないって何ですか?
仕事してなかったら、もう会ってもあげないんですか?」
「だって来れないじゃん。店に。」