BLACK PRINCE
―――――――…‥‥
俺は代表の家から出て、タクシーに飛び乗った。
あの後、絶句していた俺に代表が
「心配なら自分で見に行け。
どの道、この子はもう俺の客じゃない。
翔は前、付き合ってたんだし。任せた。」
と言って、俺の肩を軽く叩いてゲームを再開しだした。
代表が見せてきたメールは静香からで、
息が上手くできないの。
何も食べれなくて、仕事に行けないの。
助けて。誠に会いたいよ。
という内容だった。
静香の部屋に着くと、勢いよくドアを開けた。
するとキッチンで、静香が大粒の涙を流しながら倒れていた。
「静香!?静香大丈夫か!?」
小学生みたいに細くて小さい静香は、今にも折れそうだった。
苦しそうな静香を支えながら、ビニール袋を探して静香の口元に当てた。
「ゆっくり息しろ!」
静香は過呼吸を知らなかったらしい。
落ち着いた静香は、俺を見て力なく笑った。
「翔…‥ありがとう。」
「いいから、もう寝ろ。」
俺が立ち上がろうとすると、静香がくっついてきた。
「いや…‥!行かないでよ。
一人にしないでよお…っ。」
「はあ!?子供みたいな事言うなよ!」
「嫌だ‥…。」
静香なりの力で一生懸命にしがみついてくる。
振り払ったら、静香はもう二度と起き上がれないきがした。
――――――‥‥…