BLACK PRINCE
と真顔で言った。
『あ、はい…。頑張ります。俺…』
『俺、これでも翔に期待してんだよ。
翔なら絶対成功できる。』
『あ、ありがとうございます。』
頭を下げる俺に、微笑む代表の顔は
悪魔にも近いものでとっさに俺は目をそらした。
代表は静香の話には一切触れない。
静香が出て行って3日経った。
静香はまだ帰っては来ない。
だからって探そうとか以前に
よほど気にもとめていない俺の頭の中は
何かを隠すように
黒いリアルファーコートに身を包んだ
あの女で支配されていた。