BLACK PRINCE
――――――‥‥…
あれから半年。
静香に紹介されたホストクラブで働いている俺。
もともと、静香は俺の働いてたデリバリーピザ屋の常連客で、しょっちゅう配達しているうちに仲良くなった。
当時、入り浸っていた静香の部屋にも、寮生活を送る俺は行かなくなっていた。
付き合っていると言っても、別に俺は静香を好きじゃないし、おそらく静香も俺を好きじゃないはずだ。
そんな適当な関係の俺達は、かれこれ2ヶ月は連絡を取っていなかった。
―――――――‥‥‥……
「翔さん、2番テーブルです!」
「はいよー。」
「ご指名ありがとうございま……」
「翔!!!!」
「………‥静香。」
静香は以前よりかなり痩せていた。
「久しぶりねー!元気そうだね。」
「半年ぶりぐらいだもんな。静香は…何かあったか…?」
「あたしさあ…‥今、ヤバいんだよね。」