BLACK PRINCE
「……ヤバい?」
「そう。ちょっとお金なくて、風俗始めたんだ。」
「……え?何でお金ないんだよ。」
静香は吸ってたタバコを消して、以前より細くなった腕を俺の腕に絡ませた。
「翔、かっこよくなったね。
ちゃんと食べてるの?また、カップ麺で済ませてない?」
そう言ってべったり俺に寄りかかる。
「‥‥‥いくらいるんだよ。」
静香の体を離して問いかけた。
話が早く進んでびっくりしたのか、静香はとぼけた顔をした。
「なに…‥」
「静香こそそんな痩せて、ちゃんと食べてないんだろ?」
「……‥。」
静香は何も言わずに俺の肩にもたれかかってきて、小さく震えだした。
「いくら必要なのか、早く言えよ。」
静香を抱き寄せないまま、そう言った。
「………‥あと300万‥‥‥」
静香の小さな声は、俺を苛立たせた。