12月になれば
「…はぁ…」と小さくため息を吐く。
「ン?どしたん?」ガクが私の顔をチラリと見て聞いてくる。
…私のため息は思ったよりも大きかったみたい。
だから「ん~…どうなるんやろって思て。クラブの事。」
学校に向かう道の川沿いにある、大きな桜の木を見上げながら答える。花びらの殆どは既に散り、所々赤茶がかったがくが残るだけになっている。
近いうちに新芽が出てくるだろう。
「まぁなるようにしかならへんのとちゃうん?とりあえず俺らの学年がしっかりしてたら問題無いやろ?」
「まあなぁ。」
「これから、これから。新入部員、いっぱい入るとええなぁ~。可愛い子がええなぁ~。…な?」ガクがニヤリと笑いながら聞いてくるのを、軽く聞き流し答える。
「うん、そうやな。一応中学ン時の後輩は何人か入るで。管は最低限揃うんとちゃうかな。」