12月になれば
夏になるたびに思い出す。
むせ返る湿気と、じりじりと照らすどの季節よりも近い太陽。
汗でしっとりとしたセーラー服の襟。
汗の匂いの籠る部屋―。
忘れることなんてできない。
夏が来る度に送られてくる一通の葉書。
否が応にでも記憶を呼び戻させるその物を、毎年手に取る私―。
後悔のない人生ってどんなの?
後悔のない人生ってあるの?
もう少し、自分の気持ちを口に出して言えていれば、今は違った?
幸せだった?不幸だった?それでもやっぱり後悔していたのかな?
何が正解で、どれが間違いだったのかなんて解からない。
のに、
こんなに涙が止まらないのは何故?