12月になれば
「原田先輩は?今日来ないんですか?」西先輩とともに唯一練習に来ていた原田先輩は春休み以降クラブを休みがちになっている。
「原田は塾。出来れば(楽器)パート分けしてしまいたいから、矢都とカンディにも居て貰いたかってん。」
「分かりました。」
答えながら急いで荷物を棚に置く。
「私らで決めてしもても良いんですか?」カンディが西先輩の後に続き部室を出ながら聞く。
「いいねんいいねん。あんたらやったら誰も文句は無いわ。」笑いながら西先輩が答える。
そうかな。でもほかの部員は高校になってから楽器を始めた人や、中学の時とは全く違うパートを選んだ人が多かったから、私とカンディはその中では上手い方かな。