12月になれば
希望者は全員で11人。
男の子1人以外は全員女の子。
男の子は山田君。中学の吹奏楽部ではトランペットパートで一緒だった後輩。
西先輩がクラブの活動内容や楽器の説明をしながら持って来ていたノートに何か走り書きをすると、私とカンディに差し出す。
『男1人だけかァ~!』
カンディが西先輩からペンを受け取るとその下に同じように書き込む。
『あの子はTp(トランペット)、後輩です。』
『どうする?希望聞いていこか?』と西先輩が書くと、私とカンディを見る。
私とカンディが頷くと同時に「じゃあ希望の楽器や、経験のある楽器があれば順に言ってくれるかな。」と西先輩が進めていく。
結局ドラム希望は1人も居ず、管楽器、ギター、ベース、ピアノ、と全体の数のバランスを取りながら順調にドラム以外のパートが決まって行く。