12月になれば


 ガラッ―



全てのパートが決まりかけた頃、教室の後ろの引き戸が突然開いた。全員の視線がドアを開けた人物に集まる。


「ちわ…。」


ペコッと頭を下げながら男の子が顔を覗かせる。背は高い方かもしれない。学ランを程よく着崩していて、何かのスポーツでもしているのか結構体格が良さそう。でも筋肉質って程でもなく、バランスの良さそうな体型をしている。


前髪が顔の半分ぐらいまで掛かっているのと、眼鏡を掛けているせいで顔も表情もよくわからない。



「入部希望なんッスけど…」










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