12月になれば
思い出は美しい?
「カンパして。」
その言葉に思わず矢都(ヤト)ユキは顔をしかめる。
「1組の子がデキたって。」
高校生になってから聞くようになったそのセリフ。季節は夏も終わり、1年の二学期も僅かに過ぎた頃。
「イヤよ。自分の事はちゃんと自分で責任取れよなー。」ユキはわざと、少しだるそうに答えた。
「分かったー、じゃあ他当たってみるわぁ~。」
軽く答えた彼女は何事も無かったかの様に、腿が露わになる位短いセーラー服のスカートの裾をふわりと翻し去っていく。