12月になれば
「やっぱりちょっと暑いなあ。」カンディが買ったばかりのポテトチップスの袋に手を突っ込みながら言う。
確かに。じっとしているとそうでもないけれど、歩くと脇の下にシットリと汗が滲み出てくるのがわかる。
「楽器重い…。」
「あ~、ごめん。」
そう言いながら、あまり悪びれた様子もなくカンディが笑う。
「ええよ、ねぇ、話あるんとちゃうん?」
「うん、クラブの事なんやけど。」
「あぁ、それは私も気になってた。」
そう答えると、冷えたライ○ガードを一気に喉に流し込む。
「どうする?このままやとヤバイよなあ。」
「そうやなあ…。間に合わへんかも。」
「間に合わへんかったらコンサート中止?延期になる
ん?」
「でも延期になったところで先輩らがクラブに来るようになるとは思われへんけどな。」少し投げやりに言ってみる。