12月になれば


 1年生がクラブに慣れていくにつれ、原田先輩はおろか西先輩までもがクラブに顔を出す回数が減っていった。


このままだと8月の演奏会に間に合わない。


毎年8月上旬に開催するコンサートなのに、曲目もパンフレットの準備も何もかも未定のまま。


「確かに―。いっぺん、話し合ってみる?」


カンディがごもっとも。というかのように頷きながら言った。


「じゃあ、西先輩に一度、話ししに行こか?」


「そやな。」




 それから私達は教師の話や、誰と誰が付き合っていて最近別れたとか、他愛もない話をして本堂を参り、そのまま駅に向かうと電車に乗り帰路についた。




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