12月になれば


 紙を集め結果をチェックしていくカンディの手元を見ながら「うそやん。」としか言えない。


正直、思いもよらなかった結果で本当に吃驚した。
部員28人の内の殆どの票が『矢都』とか『矢都先輩』だったから。


『津木田』と『谷川先輩』票はそれぞれ1枚ずつだった。


「じゃあそういうわけで、部長はヤトってことで。」と嬉しそうに言うカンディ。


「ちょ、ちょっと待ってよ。」と焦っていう私。

みんなが私の方を見ているのが肌で感じる。


「私でホンマにええんかえ?」思わず聞いた私に皆が「いいですよォ。」とか肯定の言葉を口々に言ってくれる。


「ええんやで、みんなが選んだ事やねんから。お前が適任やろ。」




不安になっている私に、ガクがそう言ってくれたのが嬉しかった。






< 44 / 46 >

この作品をシェア

pagetop