ヤンキー
『朽木、笹木。18秒の遅刻っと・・・・』


メモ用紙に書きながら、あたしと佐奈を交互に見る。


『朽木。お前が遅刻の原因か?』


はぁ?!何言ってんの?!あたし達の家は遠いいの!通学に時間がかかるの!


『冗談だよ。笹木、怒るなって』


先生が困惑した顔であたしを見た。


「じゃぁ、朝のHR遅れるんで。失礼します」


あたしは佐奈の手を引いて、教室に入った。


『―鎌田・・・北川・・・北野・・・』


教室を覗くと、出席をとっている真っ最中だった。


『朽木、は遅刻っと・・・・笹木・・・・・も遅刻っと』

ガラガラガラ―

「『遅れましたァァァ」』


2人同時に入った。先生は、いつもどうりに、


『早く席に着け』


と言うだけだった。

佐奈とあたしは窓側の席。席替えも毎回ズルして前後にしてる。


『ねぇ、真由。今日のニュース見た?』

「見てない。何かあったの?」



前の席に座り、周りを見渡してから、


『後で言うね』


と言って、佐奈は前を向いてしまった。

―キーンコーンカーンコーン♪♪♪

『起立!礼』

『ありがとうございました』


1時限目が終わり、移動教室に向かう。


「佐奈、あたし等も行こう」


佐奈は、具合が悪いと言って、教室に残った。


『ねぇ、朽木さん。カゼ?』

『今日朝一緒だったよね?』

「佐奈、具合が悪いみたいで…教室で休んでる」


同じ班の女子が気にかけているみたい。けど、男子は、


『朽木みたいなウルサイのがいなくてラッキーだよな』


なーんて言い放ってる。――――一発、殴ってもいいですか?


『ちょっと!朽木さんが可哀相じゃない!』

『そーよ!』

『朽木さん可愛いからって、悪く言うなんて、最低!』


女子パワーって、すごい!!!!改めて感じた


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