ヤンキー
ズルズルとヤンキーの強い力で、校舎の外へ連れて行かれようとしてる。

―このまま校舎の外に出たらあいつ等のもの・・・・でも、約束守らなきゃ―

隣の佐奈を見ると、目に涙をいっぱいためて、ヤンキーを睨んでる。


『もうスグで玄関だから・・・・・外でたら、原付で移動しよっかぁ~』


そんなヤンキーの言葉は耳には入らなかった・・・・


『着いたよ~♪』


強引に原付から下ろされてきた場所は・・・・


『俺等のアジトだよ・・・・』



それを聞いた佐奈は逃げようとした
     けど・・・・


『逃げられないよ・・・・入り口の前に、ウチの手下等いるから』


『ごめんね・・・・騙して・・・・』


その言葉を合図みたいに、ヤンキーがあたし達に襲い掛かってきた・・・・


懐かしい・・・・この音・・・・
この音聞くと・・・・
なんだか・・・・

―ドフッ―

「無性に腹がたってね」

『来たぁ~!』


佐奈は待ってましたと言わんばかりに目を輝かせた。

―バキッ―

『・・・・うっ』

「早く来いよ・・・来ないなら・・・コッチから行くよ?」

『この人数じゃ勝てねぇよ』

『聖、やめろ』

『正樹さん・・・しかし』

『やめろと言ってるのが分からないのか』

『・・・・いえ』


あんなに威勢の良かったヤンキーが、静まり返った・・・・


「・・・・何なんだよ」


調子狂う・・・・・


『コイツの顔に見覚えないのか』

『はい・・・・ないっス』

『コイツは、中学の頃、伝説と呼ばれたヤンキー、笹木真由だよ』

「早く出してよ」

『昔の借りが、まだ返せてないんで』

「昔?何のこと?佐奈は関係ないでしょ?!」

『そうはいかないんで・・・ねっ』

―ドフッ―

強い痛みがお腹に走った


「うっ・・・・」

『真由!』


佐奈が心配して駆け寄る


「佐奈、約束して・・・この後の事は」

『分かってる。忘れるし、みんなにも真由のパパにも言わない』

「佐奈、ゴメン」



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