望遠鏡
「で、それで俺になんと言えと?」
「言ってほしいわけじゃなくて、聞いて欲しかっただけなんだ。
今回は本当にちゃんと長く続きそうだったから報告に来た!」
「あ、そう。
でも彼氏がいるのに、俺のとこばっか来てると疑われるぞ」
「そういうものかな…。
でも私は芳隆と話したいよ。
幼なじみだし、大丈夫じゃない?」
「ん、まぁ深春がいいんなら、いいんじゃないの」
「だよね!
じゃぁまた来るから!」
深春はそう言うと、また何事もなかったように、芳隆の部屋をあとにした。
芳隆は深春がいなくなると、大きなため息を吐き出した。